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1. ごきげんポイント/いまいちポイント
✅ ごきげんポイント
- リバーブの深さを「手前/後ろ」で表すビジュアルはとても直感的で分かりやすく、操作のとっかかりとして優秀。
- smart:reverb 無印と比較して、Ver.2ではリバーブのかかり方が薄味になり、「空気感を足す」「なじませる」用途にちょうどいい。
- 前作では「深すぎて難しい」と感じた場面でも、今回は自然にミックス内へ溶け込ませることができ、使い勝手が向上した印象。
❌ いまいちポイント
- X/Yパッドでホール/プレートなどのリバーブタイプを割り振るUIは、リバーブの性格を細かく調整したい自分には不向きに感じた。
- 特に、音像や広がりを厳密にコントロールしたい場面では「フェーダーで個別に調整できる方が楽」と思える。
- X/Yパッドの調整が意図通りに動作しにくく、感覚的な調整が苦手な人にはとっつきづらいかもしれない。
2.誰に向いているか?
smart:reverb 2 は、初心者〜中級者にとって非常に扱いやすいリバーブだと感じます。とくに以下のようなユーザーには適しているでしょう:
- 🎧 DTM初心者・歌い手・セルフMIX系ユーザー
→ 「どのリバーブを選んだらいいか分からない」「なんとなく合ってない気がする」と感じている人でも、AIプロファイリングが自動で素材に合ったリバーブを提案してくれるため、直感的かつ短時間で自然な処理が可能です。 - 🎤 アマチュアMIX師やボカロP
→ プレート/ルーム系のリバーブを軽くかけて空気感を加えたい場面において、プリセットよりも柔軟で、手作業よりも手軽という中間的なポジションを担えます。
一方で、以下のようなユーザーには不向きかもしれません:
- ⚠ MIX技術を学びたい人/パラメーターで細かく追い込みたい人
→ smart:reverb 2 は「リバーブタイム」「プリディレイ」「ダンピング」など、一般的なリバーブパラメーターを前面に出していません。そのため、MIXの勉強としての“理解・検証”には向かず、ブラックボックス的な操作感になる可能性があります。
3. はじめに
今回 smart:reverb 2 を取り上げた理由は、前バージョン(無印)からのアップグレードが行われたためです。
筆者は無印版のレビューも過去に行っており、当時は「深めで存在感のあるリバーブだが、馴染ませるのが難しい」という印象を持っていました。
その点、今回の smart:reverb 2 では リバーブのかかり方がより薄味に調整され、実用性が高くなっていると感じています。
また、リバーブの深さを「手前/後ろ」という軸で視覚化した操作性や、AIによる自動プロファイリングの柔軟性が、ライトユーザーから中級者までのニーズにどう応えるかにも注目しました。

4. サウンドとキャラクター
smart:reverb 2 の音色傾向は、ナチュラルかつ控えめで、あくまで素材に「空気感」や「奥行き」を加える方向に特化している印象です。
前作にあった“リバーブが主張しすぎる”感覚が薄まり、より ミックスに馴染ませやすいバランスとなっています。
一方で、スペーシーな演出やロングリバーブを求める用途にはやや物足りないかもしれません。
特に「空間そのものを演出する」ような使い方や、ディープなサウンドスケープを作りたい場合には、他のリバーブ(Valhalla ShimmerやChromaVerbなど)のほうが適しているでしょう。
使用感としては、ボーカルやアコースティック楽器に対して薄くかける用途に非常にフィットします。
また、smart:reverb 2 を プレートやルーム系の短いリバーブとして複数段に重ねて使うといった工夫も有効で、AIによるプロファイリングがその都度違った質感を出してくれるのも面白さの一つです。
5. 操作感・機能
smart:reverb 2 の操作系は、非常にシンプルかつ視覚的に分かりやすい構造になっています。
ユーザーが触れる主な要素は、リバーブタイプを決める X/Y パッドと、音像の奥行きを設定する 距離スライダーのみ。

これにより、「とにかく今すぐ使いたい」場面でも迷うことなく操作が可能です。
前作(無印)では、もう少し多くのパラメーターが存在していたものの、逆に 思った通りの音を得るのが難しいという印象もありました。
その点、smart:reverb 2 では操作の自由度は減ったものの、狙った効果をより素早く得やすい設計になっています。
細かい調整が必要なケースでは別のリバーブとの併用が望ましいかもしれませんが、「スピード感と実用性のバランス」という点では好印象なUIです。
6. まとめ
smart:reverb 2 は、「リバーブは苦手」「うまく馴染ませられない」と感じている制作者にとって、非常に心強いツールです。
AIによる自動プロファイリングと、視覚的に分かりやすいインターフェースにより、時間をかけずに“それっぽく仕上げる”ことが可能。
特にセルフMIXやボカロP、歌い手の方にとっては、制作フロー全体の時短ツールとして活躍するはずです。
ただし、音質に対して強いこだわりを持っている場合や、空間系エフェクトを音作りの一部として使いたい場合には、LiquidSonics系などの高度なリバーブが候補になるでしょう。
smart:reverb 2 は、あくまで“音を馴染ませるための道具”として優秀であり、「目立たず支える」ことを得意とする存在です。
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