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1. ごきげんポイント/いまいちポイント
🟢 ごきげんポイント
- 6弦ベース音源としては希少。現代的なサウンドにも対応できる。
- JAZZからロックまで、幅広いジャンルで違和感なく使える。スラップやミュート、チョーキングなども豊富で、打ち込みでも人間味のある演奏が可能。
- 物理モデリングではなく、サンプリングベースの音源としての安定感があり、音作りがしやすい。
🟠 いまいちポイント
- リズムパターン(フレーズプリセット)は非搭載。ベースラインを自分で打ち込む必要があり、初心者にはややハードルが高い。
- 一部のキースイッチがうまく反応しないことがある(環境依存の可能性あり)。MIDIエディット時には注意が必要。
2. 誰に向いているか?
AmpleSound ABTR6 は、6弦ベースならではの広い音域と、ジャンルを選ばない素直でソリッドな音が特徴。以下のようなユーザーに特におすすめです。
🎯 想定ユーザー層
- ジャンル横断型のDTMer・ボカロP
→ ロックからジャズ、プログレ、さらにはアンビエントや劇伴的アレンジまで、守備範囲の広いベース音源が欲しい人に最適です。 - 打ち込みに慣れた中級者〜上級者
→ リズムパターンが非搭載のため、自分でベースラインを作れる人向け。ただし演奏表現は豊富なので、エディット派にはむしろ嬉しい設計。 - 鍵盤主体で作編曲する制作者
→ 6弦仕様で音域が広く、ピアノやストリングスと並行しても音域がかぶりにくく、スムーズに組み合わせられます。
🎧 想定ジャンル
- ジャズ/フュージョン
- プログレッシブ・ロック
- オルタナ〜ポップス全般
- 劇伴・BGM用途にも対応可能
YAMAHA ジョン・パティトゥッチモデルがベースになっていることもあり、音楽的な信頼感と“潰しの効く万能性”を両立した一本と言えます。
3. はじめに
今回 ABTR6 をレビューしようと思った一番の理由は、実機(YAMAHA ジョン・パティトゥッチモデル)への愛着にあります。

私自身が所有しており、「使いやすい」「良い楽器」「見た目がかっこいい」と実感しているモデル。その再現音源が AmpleSound から出ていると知って、これはレビューしないわけにはいかないと思ったのがきっかけです。
DTMにおいても、見た目からモチベーションが上がるというのは意外と大切な要素。お気に入りの楽器をモデリングした音源があると、それだけで制作意欲が高まります。
実機を知るからこそ見えてくる「音の再現度」や「操作感」についても、レビューを通して掘り下げていきます。
4. サウンドとキャラクター
ABTR6のサウンドは、とにかく素直で使いやすい。
無駄に色気をつけたり、極端に主張することのない、プレーンでニュートラルな音質が魅力です。
- ローエンドは引き締まっていて、こもりにくい
- ハイはギラつかず、耳に痛くならない
- ミッドにもしっかり芯があり、ライン録りベースとして非常に扱いやすい
このような“クセのなさ”は、ジャンルを問わずに扱える万能性に直結しています。ジャズやプログレはもちろん、ポップスやエレクトロ系の打ち込みベースにも自然に馴染みます。
🎛 音作りの自由度
ABTR6の音はあくまで生のライン収録的キャラクター。そのため、
「ベース音の最終形」はアンプシミュやエフェクト次第
とも言えます。単体では「地味」と感じるかもしれませんが、裏を返せば、後段でどんな味付けにも化ける懐の深さを持っています。
よって本音としては、
- アンプシミュレーターと併用する前提
- 逆に言えば、そこを押さえれば“音の自由度がとても高い”
という立ち位置のベース音源です。
5. 操作感・機能
🖥 UI・視認性
ABTR6のインターフェースは、AmpleSoundらしいシンプルかつ明快な設計。
実機モデルそのままのベース画像が表示されており、「自分がこの楽器を弾いている」という感覚を自然に引き出してくれます。
- 操作に迷うことはほぼなく、基本的なセッティングは直感的
- 奏法の割り当てや各種ノブも整理されており、視覚的に理解しやすい
🎹 キースイッチ挙動
奏法切り替え用のキースイッチについては基本的に違和感なし。
スライド・ミュート・チョーキングなど、DTMベース打ち込みに求められる表現力は一通りカバーされています。
ただし一点、気になる挙動が:
キースイッチを切り替えたはずなのに、効果が反映されないことがある
これはMIDIキーボード操作でも、画面上のクリック操作でも同様に発生。
環境依存の可能性もあるものの、特定の演奏モードが反映されないような動作は打ち込み時の注意点として認識しておくべきでしょう。
⚙ CPU負荷・安定性
- 軽量とは言いがたいが、一般的なモダン音源としては十分実用的な負荷
- 大きなクラッシュやフリーズはなく、安定性は高い印象
6. まとめ
ABTR6は、自分にとっては「買って良かった」と素直に言える音源です。
実機を持っているからこそ、画面に映るベースの見た目にもテンションが上がりますし、打ち込みでも馴染みのある感触に近い音が返ってくるのは安心感があります。
音はとてもプレーンで、極端に派手なキャラクターではありません。でも、それがいい。
ベースってこういう音でいてくれれば助かる、という範囲にしっかり収まってくれていて、そこからはアンプシミュなりEQなりで整えていけばいい。
何にでもなれる音というのは、それだけで信頼できる要素です。
音域について感じたこと
もともと自分が6弦ベースを使うようになったのは、バンドのキーボードが作った曲が4弦では弾けない構成だったからです。
ベースの知識がなく、音楽的に自然に書いた結果、下から上まで広い音域を使う必要が出てきた。
そのとき、6弦という選択肢が「制約からの解放」になったのをよく覚えています。
だからABTR6を試していて感じたのは、これは**「ベースに詳しくなくても、思い描いたフレーズをそのまま弾ける音源」**だということ。
鍵盤で打ち込むDTMerにとっては、音域を気にせず曲を作れるという意味で、かなり心強い存在だと思います。
少し気になった点も
- キースイッチが効かない場面があるのはちょっと不思議です(クリックでも同じ)
- リズムパターンがないので、フレーズを1から作る必要があります
- EZbassなど打ち込み支援系に比べると、「便利さ」ではなく「素直な表現力」で勝負する音源です
自分にとってのABTR6
「音域が足りない」「思った音が出ない」みたいなストレスを感じたくない人にはちょうどいいと思います。
自分はそういう意味で満足しています。
便利さではなく、好きな楽器の“素直な音”がDAWで扱えるという満足感。それがABTR6の価値だと感じています。
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