
AIで音楽を作る試みは、すでに多くの人が取り組んでいます。
生成AIで曲を作る方法や、ツールの紹介も、いまでは珍しい話ではありません。
そんな状況ではありますが、以前から考えていた構想があり、ようやく実際に手を動かし始めました。
AIを使って、ミクスチャー系のバンドサウンドを作るという試みです。
AIで音楽を作るなら、
「世界観を設定して、それをAIに渡せば曲ができる」
最初は、そう思っていました。
ミクスチャー世界観は、うまく混ざらない
今回やりたかったのは、
複数の音楽要素を混ぜた「ミクスチャー型」のバンド曲です。
ロック、エレクトロ、メタル、ダンスミュージックなど、
いくつかの方向性を同時に含んだサウンド。
しかしAIに生成させてみると、
多くの場合こうなりました。
どちらか一方の要素に寄る。
例えば、
ロック寄りになりすぎる
→ ギターはヘビーなままポップなボーカルを入れたいのに、スクリーム系の歌唱になってしまう
エレクトロ寄りになりすぎる
→ エレクトロなループを入れようとすると、曲全体がポップ寄りのダンスミュージックになってしまう
といった具合です。
「混ざる」というより、
どちらかの方向に整理されてしまう印象でした。
AIが悪いというより、
これは単純に得意分野の問題なのだと思います。
AIは平均的なパターンを作るのは得意ですが、
ニッチな組み合わせや、
バランスの微妙な混合は少し苦手なのかもしれません。
もうひとつの問題:ボーカル
もうひとつ困ったのは、
オケは気に入ったのにボーカルが使えないケースです。
曲自体は良いのに、
歌のニュアンスやメロディが思っていたものと違う。
AI生成ではよくある話ですが、
「ボーカルだけ作り直せないか?」と考えました。
試した流れはこんな感じです。
- AIで曲を生成
- ステム分離でトラックを分解
- ボーカルだけ再生成
うまくいけば、
オケはそのまま
→ ボーカルだけ作り直す
という理想のワークフローになります。
ただ、現状のツールでは
完全に同じオケを固定したまま再生成するのは難しく、
曲全体が変わってしまうこともありました。
結局どうするか
現時点では、いくつかの対応策を検討しています。
例えば、
AIで曲を生成
↓
ステム分離
↓
ボーカルだけ別生成
↓
DAWで編集して合成
といった流れです。
つまり、
AIにすべて任せるのではなく、
素材生成+人間の編集で仕上げる。
という方向です。
この方法がうまくいくかどうかは、
実際に作業を進めてみないと分かりません。
ただ、AI生成とDAW編集を組み合わせることで、
理想の形に近づける余地はありそうだと感じています。
今回試した曲は、こちらで公開しています。
いわば“失敗作”ではありますが、AI作曲を試す中で見えてきたこともありました。
まとめ
今回わかったのは、シンプルなことです。
AIには得意なことと苦手なことがある。
世界観を丸ごと渡して
「いい感じに作ってくれる」
…という使い方は、
少なくとも今回の試みでは、うまくいきませんでした。
とはいえ、
- 素材生成
- アイデアのきっかけ
- サウンドの種
としては、かなり面白いツールです。
もう少し試行錯誤してみます。
この試行がどんな結果になるのか、
またどこかのタイミングでまとめたいと思います。


