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■ごきげんポイント
- 3種類のクリッピングスタイルで用途に応じた音作りができる
- Sub Boost で低域を太くでき、迫力を加えられる
- Mojo ノブで自然な倍音と厚みを足せる
- プリセットが豊富で、すぐに使い始められる
■いまいちポイント
- クリップ量の視覚的なフィードバックが少ない
- GUI が派手で、シンプルなビューを好む人には合わない
- 激しいクリップ用途では制御が物足りない場面がある
■ 誰に向いているか?
Zebra Clipper は、次のような人に特にマッチすると思われます:
- 個性が欲しいけど過度に歪ませたくないトラック(ドラム、ボーカル、ギター)がある人:程よくパンチと色味が加わるから、素材のキャラクターを損なわずに存在感を上げたい用途に向く。
- ミックスの途中やグループトラックでエネルギー感を強めたい人。Sub Boost やクリッピングスタイルを変えることで、太さ・密度を増やせる。
- プリセット重視で、とにかく早く音作りしたい人。大量のプリセットに助けられる場面が多い。
■ はじめに
Safari Pedals が「Classic clipper, gone wild」のキャッチフレーズでリリースしているこのプラグイン、登場したときから話題になっていました。公式サイトや Gearspace の発表では、「キャラクター/パンチ/精密さを備えたクリッパー」であり、3 つのクリッピングスタイル、低域のブースト、ハーモニクス操作ノブ(Mojo)など、使い手の好みで音像を変化させられる設計であることが強調されています。
そのため「ただピークを抑えるだけでなく、音のキャラクターを足しながら存在感を強めたい/ミックスのアクセントを付けたい」制作者には興味深い選択肢として映ると思います。
■ サウンドとキャラクター
- クリッピングスタイルごとの違いが明確で、「Analog」は暖かさ・アナログ感、「Modern」はクリーンでシャープ、「Round」はソフトな丸みを帯びた歪み/ハーモニクスが特徴になっています。特にボーカルやドラムのアタック部分では「Modern」があうことが多いと思いました。
- ちょっとした注意事項ですが、Sub Boost を使い低域を強化するさいには、他パートとの被りに気を付けた方がよさそうです。
- ハーモニクス(Mojo ノブ)の効きは「程よい彩りを加える」程度で、歪み過多にならず、音像に厚みや温かみが足されるように感じます。
■ ジャンル適性
- ロック/ポップ/オルタナティブ/インディー系など、楽器主体で音像をキャラクター付けたいジャンル。ドラム・ギター・ベース・エレクトリックギター/アンプ音などに向くと思います。
- エレクトロニック系でも、あえてアナログ寄りのクリップ感・温かみを加えたいトラック(キック、パーカッションなど)には有効です。一方、極端に硬い EDM/ダブステップ/ビッグルーム系で限界を詰めたい場合は他の、よりアグレッシブなクリッパーやマキシマイザーが適しているのではないかと思います。
- ポップス・R&B・ヒップホップでも、ボーカルやスネアへのアタック、パンチ感強化などの用途に適しています。Sub Boost やクリッピングスタイルをコントロールすることで低域のコシを出すこともできると思います。
■ 他製品との比較(使い分け)
- 他社のクリッパー/サチュレーターと比べると、Zebra Clipper は「味を足す/キャラクターを付ける」部分が強く、透明なマキシマイザー系ではないです。
- また、ハードなクリップ(非常に激しく押し込む用途)を求める場合も他の製品の方が良いでしょう。
- GUI や操作性で言えば、シンプルさ・プリセットの使いやすさにおいて評価されており、細かい調整を要求するプロフェッショナル用途でも使えるが、視覚的なメーター・分析機能では他のハイエンドツールの方が装備が充実している。
- 操作感・機能
主なコントロールと使い所
- Style(Analog/Modern/Round)
3種類のクリッピング・スタイルを切り替えられます。
- Analog:温かみのあるビンテージ風。ギターやボーカルを厚くしたいときに。
- Modern:デジタル的でシャープ。ドラムのアタックを際立たせたい場面に。
- Round:ソフトで丸い質感。ピアノやシンセなど角を取りたい素材に。 - Input
Zebra Clipper の“噛みつき”具合を決めるゲート。大きめに上げるとクリッピングが強くかかり、ドラムやベースにパンチを加えられます。控えめにすれば自然なピークコントロールに。 - Output
処理後の音量を整えるノブ。Input で押し込んだ分をここで冷静にバランス調整。2Mix やマスタリング前段での運用では必須の調整ポイントです。 - Mojo
“アナログ風の魔法”を足すつまみ。サチュレーションのように倍音や厚みを付加しますが、過剰な歪みにはならず、ボーカルに艶を与えたりシンセをリッチにしたりできます。 - Sub-Boost
低域を押し上げる秘密兵器。キックやベースに重量感をプラスできます。ただし上げすぎると混濁しやすいので、1〜2目盛程度の控えめな設定が実用的です。 - Blend(Dry/Wet)
処理音と原音のバランスを決めるノブ。100%にするとフルでかかりますが、50〜70%あたりにすると元の鮮度を保ちながらキャラクターを加えられます。ドラムバスや2Mixで便利。 - Auto-Gain(スイッチ)
Input を上げると自動で Output を下げ、音量を一定に保つ機能。質感の変化だけを確認したいときに有効ですが、挙動が完全に正確とは限らないため、最終判断は耳とメーターで行うのが安心です。 - Preset Menu
Safari Pedals らしい豊富なプリセットが用意されており、「まずは試してみたい」という場面で即戦力になります。スピード感が求められる制作環境で頼りになる存在。
■ まとめ
Zebra Clipper は「ピークを抑えつつ音のキャラクターを強める」タイプのクリッパーです。
少ない操作でパンチや厚みを加えられ、特にバンドサウンドやドラム・ボーカル処理に向いていると感じます。
透明で正確な最終リミッティングには他ツールが必要ですが、Zebra Clipper は“音楽的に楽しいクリップ感”を与えてくれる存在だと思います。
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