ベースアンプのプラグイン選びに迷っていませんか?
本記事では、ベース用アンプシミュレーター&マルチエフェクト系プラグイン11製品を実際に演奏して比較しました。
「ベースアンプのVSTって何が違うの?」「無料で試せるおすすめはある?」「最初の1本はどれを選ぶべき?」──そんな疑問を持つベーシストやDTMユーザーに向け、音の特徴・操作性・向いているジャンルをわかりやすく解説します。
YouTube動画でサウンドも確認できます。無料体験版で試せる製品も掲載しているので、気になるものがあれば音を聴きながら検討してみてください。
まずは比較用の元音源です。
- 🎸 Neural DSP「Parallax」
- 🎸 Neural DSP「Darkglass Ultra」
- 🎛 United Plugins「Bassment」
- 🎚 Bogren Digital「BassKnob STD」
- 🎵 Softube「Eden WT-800」
- 🎼 Plugin Alliance「Ampeg SVT3Pro」
- 🎛 United Plugins「QuickBass」
- 🎵 TSE Audio「BOD」
- 🎸 Overloud「TH-U」
- 🎛 Positive Grid「BIAS FX2」
- 🎵 IK Multimedia「AmpliTube 5」
- 🎯 最新版|ベースアンププラグイン比較ポイント早見表
- 🔻 まとめ:どのベースアンププラグインが合う?
🎸 Neural DSP「Parallax」
音の傾向/ジャンル適性:
基本は歪み系で、モダンロックやメタル向き。ただし、歪み具合と低音の量感が広く調整できるため、ポップスやダンスミュージックにも対応可能。
一方で、レトロな曲調にはやや不向き。
操作性:
プリセットはやや極端な設定が多く、再調整は必須。自由度が高い反面、やりすぎに注意。
UIや操作性は慣れれば快適だが、初心者にはやや敷居が高め。
おすすめ対象:
中級以上のベーシスト。幅広い音作りを求める人や、曲ごとに音色を変えたい人に。
ひとことコメント:
自由度の高いプリアンプ型。
音色変化が大きく、扱いには注意がいるが、曲に合わせた細やかなサウンド設計ができる点は非常に魅力。
🎸 Neural DSP「Darkglass Ultra」
音の傾向/ジャンル適性:
ロックやメタルなど、歪んだベースサウンドに非常に強い。
芯のあるラウド系ベーストーンを作るのに最適。
操作性:
ストンプ式エフェクターに慣れている人にはなじみやすく、
初めての人にもUIは分かりやすい。
プリセットは効果が明確でわかりやすいが、仕上げに調整は必要(Parallaxと同様)。
おすすめ対象:
初心者〜中級のベーシスト。特にラウド系ジャンル志向の人。
ひとことコメント:
「ラウド系やるなら超おすすめ」。
すぐに“それっぽい音”が出せるので、即戦力として非常に優秀。
🎛 United Plugins「Bassment」
音の傾向/ジャンル適性:
少しレトロであか抜けないサウンド。
オーバードライブ系の歪みがややLoFi感を持ち、低音が抑えられることでさらにレトロ感が強調される。
ファンクやビンテージ寄りのロックに好相性。
操作性:
コンパクトエフェクターを並べたUIは、ベーシストやギタリストには直感的だが、他の楽器や初心者にはややとっつきにくい。
プリセットは歪みを調整すれば実用的なものも多い。
おすすめ対象:
ベーシスト(特にビンテージ志向)。
ひとことコメント:
他では出せないレトロ感が魅力。
独特のキャラクターを求めるなら候補に入る一本。
🎚 Bogren Digital「BassKnob STD」
音の傾向/ジャンル適性:
ロック向けのオーバードライブサウンド。歪みの質感はシンプルで、直球勝負のロックベースに好相性。
操作性:
ワンノブ仕様で、音作りは極めて簡単。オーバードライブの量を決めるだけで即戦力の音が作れる。
おすすめ対象:
非ベーシストや初心者で「ベースを歪ませたいが複雑なのは苦手」という方に最適。
ベーシストも、音を聴いて好みなら間違いなく買い。
ひとことコメント:
シンプルこそ強み。余計な操作に迷わず、音作りに集中できるのが最大の魅力。
🎵 Softube「Eden WT-800」
音の傾向/ジャンル適性:
ほぼどんなジャンルにも対応できるオールマイティ型。特にポップスやジャズでは相性抜群。歪みはあまり得意ではない。
操作性:
ベースアンプヘッドそのもののUIなので、迷う要素が少なく扱いやすい。操作は直感的。
おすすめ対象:
意外と非ベーシストにもおすすめ。他社のAll in Oneのような迷いがなく、シンプルに使える点が魅力。
ひとことコメント:
楽曲に自然に溶け込む万能型アンプ。幅広い場面で安心して使える。
🎼 Plugin Alliance「Ampeg SVT3Pro」
音の傾向/ジャンル適性:
ロックやポップスが得意。スタジオでもおなじみのアンプらしい音だが、実機ほどのパンチはない。
操作性:
実機そっくりのUIで、スタジオ経験のあるベーシストにはなじみやすい。
一方で、トーンコントロールとグライコを組み合わせる必要があり、やや手間。UIが小さめで操作しづらい面もある。
おすすめ対象:
こだわりがなければ他社製品のほうが扱いやすい可能性あり。
ひとことコメント:
実機のようなパンチがなく、出番は少なめ。
🎛 United Plugins「QuickBass」
音の傾向/ジャンル適性:
一通りの音が作れるオールマイティ型。ただし、ラウド系のゴリゴリとしたサウンドは不得意。
操作性:
ノブは多めだが、すべての機能が一画面で見える設計で分かりやすい。操作に迷いにくく、初心者でも扱いやすい。
おすすめ対象:
非ベーシストや初心者向け。ベースに詳しくない人でも安心して使える。
ひとことコメント:
ベースに詳しくなくても破綻しない音が作れるツール。とにかく手軽にまとめられる。
🎵 TSE Audio「BOD」
音の傾向/ジャンル適性:
ロック向けのSansAmp系サウンド。芯のあるドライブ感が特徴。
操作性:
Bass Driverユーザーには違和感のないUIと操作感。調整もシンプルで扱いやすい。
おすすめ対象:
SansAmp Bass Driver DIをDAWで無料で使いたい人向け。コストをかけずに定番の音を得たい場合に最適。
ひとことコメント:
無料だけど十分使える、手軽なSansAmp系プラグイン。
🎸 Overloud「TH-U」
音の傾向/ジャンル適性:
一通りの音は作れるが、比較的新しい(90年代〜)音楽向けのサウンドが得意な印象。
操作性:
自分との相性が悪かったのか、UIや構造が理解しにくい。プリセット数も少なく、すぐに目的の音を作るのは難しい。
おすすめ対象:
中級以上で、音作りをじっくりやり込みたい人向け。
ひとことコメント:
Slate Digitalのサブスク加入で機能限定版を利用可能。今回は機能制限版だったこともあり、納得のいく音が作れなかった。本領を発揮できれば印象が変わる可能性はある。
🎛 Positive Grid「BIAS FX2」
音の傾向/ジャンル適性:
iOS版の印象では、現代的かつ高機能な最強クラスのアンプエミュレーター。課金すればほぼどんなジャンルにも対応可能。
操作性:
高機能ゆえに選択肢や組み合わせが多く、さらにパラメーター設定が必要。選んだアンプやエフェクターによって調整項目が異なるため、操作はやや複雑に感じる。
おすすめ対象:
中〜上級者。機材を組み合わせて音作りを楽しみたい人にとっては、一生遊べるレベルの自由度。
ひとことコメント:
これがあれば大抵どんな音も作れる、万能型のアンプエミュレーター。
🎵 IK Multimedia「AmpliTube 5」
音の傾向/ジャンル適性:
全ジャンルを網羅可能な汎用型。ベース・ギター問わず幅広い音作りに対応。
操作性:
Positive Grid「BIAS FX2」と同様に複雑。UIはやや好みが分かれ、操作性の面では慣れが必要。
おすすめ対象:
中〜上級者。機材を組み合わせて音作りを楽しみたい人にとっては、一生遊べるレベルの自由度。
ひとことコメント:
BIAS FX2と双璧。
自由度と本物らしさ重視ならBIAS FX2、セール時の値引き率と手軽さならAmpliTube 5。ToneXも含め、最終的には音の好みで選びたい。
非ベーシストでとにかくバリエーションを求めるなら、コスト面でAmpliTube 5が有利。
画像は無課金状態で使えるベースアンプです。
✅ 比較ポイント早見表
👇 各製品を実際に使って感じた「音質」「操作性」「ジャンル適性」などを、比較しやすくまとめました。
どれが自分に合いそうか、ぜひ参考にしてみてください。
🎯 最新版|ベースアンププラグイン比較ポイント早見表
製品名 | 音質 | 操作性 | 価格帯 | ジャンル向け | バリエーション |
---|---|---|---|---|---|
Neural DSP Parallax | ◎ | 中級者向け(自由度高いが調整必須) | 高価格帯(2万〜) | モダンロック、メタル、ポップ、ダンス(レトロは苦手) | △(1系統特化) |
Neural DSP Darkglass Ultra | ◎ | 初心者〜中級(分かりやすいが調整要) | 高価格帯(2万〜) | ロック、メタル、ラウド | △(1系統特化) |
United Plugins Bassment | ○ | 中級者向け(UIは楽器経験者向き) | 中価格帯(1〜2万) | ファンク、ビンテージロック | ○(複数モード) |
Bogren Digital BassKnob STD | ○ | 初心者向け(ワンノブ) | 中価格帯(1〜2万) | ロック | △(ワンノブ特化) |
Softube Eden WT-800 | ◎ | 初心者〜中級(シンプル) | 高価格帯(2万〜) | ポップ、ジャズ、オールジャンル可(歪みは不得意) | △(1系統特化) |
Plugin Alliance Ampeg SVT3Pro | ○ | 中級者向け(UI小さめ、手間あり) | 中価格帯(1〜2万) | ロック、ポップ | △(SVT系1種) |
United Plugins QuickBass | ○ | 初心者向け(全機能見えるUI) | 中価格帯(1〜2万) | オールジャンル可(ラウド系除く) | ○(一体型) |
TSE Audio BOD | ○ | 初心者向け(シンプル) | 無料 | ロック | △(SansAmp系) |
Overloud TH-U | ○ | 中級者向け(理解に慣れ必要) | 中価格帯(1〜2万) | 90年代以降の音楽全般 | ◎(マルチタイプ) |
Positive Grid BIAS FX2 | ◎ | 中〜上級(高機能だが複雑) | 無料〜高価格帯 | 全ジャンル | ◎(マルチタイプ) |
IK Multimedia AmpliTube 5 | ◎ | 中〜上級(複雑) | 無料〜高価格帯 | 全ジャンル | ◎(マルチタイプ) |
※主観的な評価を含みます。価格帯は参考価格・セール時期により変動します。
🔻 まとめ:どのベースアンププラグインが合う?
ベースアンププラグインは、それぞれ個性が強く、
「プレイスタイル」や「使う人の知識レベル」によって向き不向きがはっきり分かれます。
ベーシストとしてしっかり音作りしたい方には、
👉 IK Multimedia AmpliTube 5 や Positive Grid BIAS FX2(有料版) がバランス的にも扱いやすく、拡張性も十分です。
音作りにそこまでこだわらず、手軽にミックスしたい方には、
👉 QuickBass や Bassment のようなオールインワン型も便利です。
より個性的で“攻めた音”を求めるコア層には、
👉 Parallax や Darkglass Ultra のような重低音系・モダンメタル系もおもしろい選択肢になると思います。