
似ているようで微妙に違う「参考」と「参照」。
ビジネス文書やメールでもよく見かけますが、
どちらを使えばよいか迷うことはありませんか?
今回はこの2つの違いを、例文を交えて整理してみましょう。
【例文】で納得しちゃいましょう
例文①:報告書の中で
- 参考資料として、昨年度のデータを添付します。
- 詳細は別紙を参照してください。
👉 「添える」のが“参考”、“見てほしい”のが“参照”。
例文②:説明のとき
- この表は、アンケート結果を参考に作成しました。
- 詳しくは第2章を参照してください。
👉 “自分が使う”ときは参考、“相手に見てもらう”ときは参照。
例文③:社内共有文書で
- 他社の取り組みを参考に、新しい制度を検討します。
- 仕様の詳細はマニュアルP.5を参照してください。
👉 “判断材料にする”のが参考、“参照先を指定する”のが参照。

「参考」と「参照」の意味合い
参考(さんこう)
判断・決定・作成などのときに、他の情報を手がかりにすること。
→ “自分が見る側”の言葉。
参照(さんしょう)
文章や資料の中で、別の箇所や資料を見てもらうこと。
→ “相手に見てもらう側”の言葉。
固定表現・よくある用例
| シーン | 正しい使い方 | 例文 |
|---|---|---|
| ビジネス文書 | 参照 | 「詳細は添付資料をご参照ください」 |
| 報告書・論文 | 参考 | 「前年度の実績を参考に分析した」 |
| 会議資料 | 参考 | 「参考資料を別紙に添付しました」 |
| マニュアル | 参照 | 「設定手順は図3を参照してください」 |
むすびに
“参考”は自分が使う側、
“参照”は相手に見てもらう側。
どちらも「何かをもとにする」という点は同じですが、
視点の向きが違います。
仕事のメールや資料づくりでも、
この違いを意識するだけで文章がぐっと正確になりますね。

