Disclosure:
このページの一部のリンクには広告が含まれています。これらをクリックして購入することで、直接ひろぽんをサポートすることができます。ありがとうございます。

Loopcloud Music App from Loopmasters.com

UJAM Gloom レビュー|アンビエント・シネマティック寄りの新しいビートメイカー

購入はこちら

■ごきげんポイント

  • これまでのUJAM Beatmakerシリーズにはなかった柔らかさのある音色
  • シネマティックやアンビエントに馴染む質感で、空間的なループ作りに活かせる

■いまいちポイント

  • 「ミニマル/IDMでこれを使えばハマる」という即効性は感じにくい
  • テクスチャとして重ねたときに、他のBeatmakerシリーズとの相性は未知数

UJAM Beatmaker V3 音源

BeatmakerシリーズがV3になりました。最大の特徴は、プラグインが統合され、1つのVSTiから複数の音源を切り替えられるようになったことです。EZ Drummerで言えば、エクスパンションを購入して中身を切り替える感覚に近いかもしれません。

ただし、キットやStyleの共用はできないため、他音源との連携が効くわけではない点には注意が必要です。

誰に向いているか?

・アンビエントやシネマティック系の制作をしている人で、手軽にビートをあてたいとき
・既存のUJAM Beatmakerシリーズの派手さに少し飽きて、より柔らかく有機的なリズムを欲している人
・ドラムトラックを全面に出さず、テクスチャ的に「下支えするリズム」を加えたい人

サウンドとキャラクター

Gloomの音は、歪みやハードさではなく、皮をゆるめに貼ったバスドラムやシェイカー、サンプリング音を組み合わせた打楽器セットのような質感です。アタックは甘めで、いわゆる「新割り」的な尖りではなく、民族音楽やシネマティックに近い圧をもつ低音が空間をしっかり埋めてくれます。

リズムパターンは、決して単純すぎるわけでもなく、かといってIDMのように何をしているのか分からない複雑さでもありません。ハウスのように直線的でもなく、その中間にある「曖昧で有機的なリズム感」が特徴で、独自のポジションを持っていると感じました。

ジャンル適性

Gloomはメーカー説明どおり、アンビエントやシネマティックに最も適しています。柔らかいアタックとオーガニックな低音が、映像作品やサウンドトラックに自然な奥行きを与える印象です。リズムを「主役」にするのではなく、情景の中で息づかいのように鳴らすのがハマりどころだと思います。

クラブ系のハウスやテクノのようなジャンルに直接使うにはやや曖昧で、リズムの輪郭がはっきりしません。ただ、その曖昧さこそが強みで、アンビエントの土台や実験的なサウンドスケープに組み込むと自然に馴染みます。

また、民族楽器的なテイストもあるので、ワールドミュージックのエッセンスを取り入れたいときにも相性が良さそうです。

他製品との比較

UJAM Beatmakerシリーズの中で見ると、Gloomはかなり異色です。従来のシリーズ(ViceやDopeなど)は、ジャンルを明確に意識した派手で即戦力なドラムパターンが中心でした。それに対してGloomは、前に出るのではなく、空間を埋めるような低音やオーガニックな響きを特徴としています。

同系統で比べると、同じUJAMの「Void」や「Hype」がクラブ寄りの直線的なビートに特化しているのに対し、Gloomはシネマティック/アンビエント用途に振り切った内容。音のキャラクターが違うため、同じトラック内で組み合わせても「主役と背景」として住み分けられる印象です。

また、他社製品のループ系インストゥルメントと比較すると、例えばNative Instrumentsの「Battery」や「Maschine」などのサンプラーベースでは自由度が高い反面、設定の手間がかかります。Gloomはその点、操作がシンプルで「雰囲気をすぐ作れる」即効性が強みだと思います。

操作感・機能

GloomのUIは、他のUJAM Beatmakerシリーズと共通したデザインで、直感的に扱えます。パターン切り替えやフィルも鍵盤から操作できるため、制作の流れを止めずに扱えるのが魅力です。

音色面では「Darkness」「Ambience」といったマクロコントロールで質感を大きく変化させられるのが特徴で、シネマティックからアンビエントまで幅を持たせられる設計になっています。

まとめ

Gloomは、UJAM Beatmakerシリーズの中でも異色の存在で、柔らかくオーガニックな質感が際立っています。低音が空間を埋めるように響き、シネマティックやアンビエントのトラックで自然に馴染むのが魅力だと感じます。

一方で、IDM的な奇抜さやダンスミュージック的な直線性を求めると物足りなさが残るかもしれません。リズムを主役にするよりも「雰囲気を下支えする要素」として使うのが適していると思います。

全体として、シリーズを通じて派手な音に慣れている人にとっては新鮮な選択肢になる一方、用途がかなり限定される印象もあります。自分の制作がアンビエントやシネマティック寄りであれば取り入れる価値がある、と感じました。

購入はこちら↓↓↓