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Boz Digital Labs Pan Knob 2|ヘッドフォンでも自然に聴こえる“聴感設計型パンナー”

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■ごきげんポイント

  • 操作が直感的で迷わない。左右反転など細やかな配慮が行き届いている。
  • クロスオーバー機能で低域をセンター固定にできる。定位の安定感が格段に増す。
  • CPU負荷が極めて低く、全トラック常用にも耐えられる軽快さ。

■いまいちポイント

  • わずかに音が詰まったように感じる場面がある。バイパス比較は必須。

🎯 誰に向いているか?

Pan Knob 2 は、ヘッドフォン環境でも自然な定位を再現したいエンジニアやクリエイターにぴったりのパンナーです。
開発者Boz Millar自身が「スピーカーでは自然なのにヘッドフォンだと耳の中で鳴っているように感じる」ことに疑問を抱き、
その違和感を解消するために設計されたプラグインです。

単純な左右バランス操作ではなく、
高域をより広く振り、低域をセンターに残す周波数依存型のパンアルゴリズムと、
頭部伝達(ITD)を模した微小ディレイを組み合わせ、現実的で立体的な定位を作り出します。

結果として、

  • 🎧 ヘッドフォンでミックスする制作者
  • 🎚 DAW標準パンの挙動に物足りなさを感じている人
  • 🧠 “パンニングの心理的な自然さ”を追求したい中〜上級者

こうしたユーザーに最も響くツールだと思います。


🎬 はじめに

パンナーは地味ながら、音像の印象を大きく左右する要素です。
私自身、A.O.M. Cyclic Panner や DAW標準のPanを使う中で、「ヘッドフォンだと音が極端に偏って聴こえる」ことが気になっていました。
そんな時に見つけたのが、この Boz Digital Labs Pan Knob 2

開発者が抱いた「従来のパンは人間の耳を無視している」という問題意識に共感し、試してみたところ、
クロスオーバー機能で低音をセンターに残せる操作感が想像以上に使いやすい。
スピーカーでもヘッドフォンでも自然に聴こえ、リードを動かすときの“滑らかさ”が印象的でした。


🎧 サウンドとキャラクター

Pan Knob 2 の定位は、非常に耳あたりが柔らかいのが特徴です。
VolumeモードのみでもDAW標準よりスムーズに音が移動し、
Delayモードを併用すれば、頭の周囲を回り込むような自然な距離感が得られます。

とくにクロスオーバーを有効にすると、
ベースやキックの芯がセンターに残りつつ、上物だけが空間を滑るように動く。
これが“定位を動かしてもミックスが崩れない”心地よさにつながっています。

一方で、素材によってはわずかに音が詰まったような印象が出る場合もあり、
常にバイパス比較を挟みながら微調整するのがベストです。


🎼 ジャンル適性

このパンナーの設計思想からして、
ボーカル・リード楽器・シンセ系との相性が非常に良いです。
特にヘッドフォンリスニングを前提とするポップスやシティポップ、Lo-Fi系などでは効果が明確に出ます。

逆に、ライブ感を重視するジャズやクラシックでは、
Delayモードによる位相変化が不自然に感じる場合もあるため、Volumeモード中心で使うと良いでしょう。


⚖ 他製品との比較

製品名主な特徴比較ポイント
A.O.M. Cyclic Pannerピュアな音量パン、音の芯が崩れにくいCyclic Panner は “最も自然なパンナー” といえる。素材を選ばず、純粋に音を左右へ振るなら依然として優位。ただし、Pan Knob のクロスオーバーやディレイ機能がうまく機能する場合、その限りではない。
Tone Projects Basslane低域モノ化に特化クロスオーバー挙動は似ているが、Basslane はステレオ幅の管理が中心。Pan Knob は“定位を動かす”点でよりアクティブ。
Leapwing StageOneステレオ拡張・センター制御系StageOne はステレオイメージャーであり、純粋なパンナーとは性格が異なる。Pan Knob はより軽量で、定位移動に特化している。
iZotope Ozone Imager視覚的にステレオ幅をコントロールOzone Imager は空間の広がり演出向け。Pan Knob は音像を“どこに置くか”に焦点を当てた聴感型の設計。

Pan Knob 2 は、A.O.M. Cyclic Panner のような“精密なパンナー”と、
Leapwing StageOne のような“空間拡張系”の中間に位置します。
つまり、定位の物理的操作に“自然さ”を加えた設計
純粋なパン操作では Cyclic Panner に一日の長がありますが、
Pan Knob 2 は「耳で聴いて自然」と感じられる位置調整を可能にします。


🧭 操作感・機能

UIは非常にシンプル。中央のノブを回すだけでパンでき、
Swap(左右反転)ボタンMonoチェックなど、小さな気遣いが光ります。

特筆すべきは「X-Over」と「Delay」セクション。
クロスオーバーを有効にすると高域だけをパンし、
低域をセンターに残したまま滑らかに動かすことができます。
Delayモードでは片チャンネルに数百マイクロ秒の遅延を加え、
人間の頭で起きる**到達時間差(ITD)**を再現。
Volume/Delay/Both の3モードを切り替えることで、
用途に応じた定位の“深み”を作れます。

CPU負荷は驚くほど軽く、Reaperで多数のトラックに挿しても全くストレスなし。
全トラックのパン操作をこれで統一しても実用的だと感じました。


🧩 まとめ

Pan Knob 2 は、「パンをどこに振るか」ではなく、
「どう聴こえるか」そのものを設計し直したパンナーです。

クロスオーバーによる帯域別制御と、Delayモードによる立体感付与が組み合わさることで、
従来のDAWパンでは得られない自然な聴こえ方を実現。
軽量で扱いやすく、全トラックの常用パンナーとしても十分現実的です。

一方で、素材によっては音が少し詰まることがあるため、
常にバイパス比較をしながら適用範囲を見極めるのがポイント。

定位に“もう一歩の自然さ”を求める方には、
試してみる価値があると感じます。

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