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■ごきげんポイント
- 簡単操作でプロっぽいグルーヴが作れる
- MIDIドラッグ対応で自由度もある
- 合わせやすくて使いやすい音色
■いまいちポイント
- カスタマイズ性は低め
- ちょっとやわらかな音によりがち
■誰に向いているか?
VOIDは、以下のようなユーザーに特に向いています。
- 作曲初心者やドラム打ち込みが苦手な人
難しい知識がなくても、クリックだけでそれっぽいリズムが鳴らせる手軽さが魅力です。 - ドラムパターンを素早く作りたいボカロP
プリセットのバリエーションが豊富で、MIDIドラッグにも対応しており、DAW上での編集も自由。仮トラック作成やアイディアスケッチにも最適です。 - 音色選びよりも“曲のノリ”を早く整えたい人
各キットの音色はまとまりが良く、派手すぎない“馴染みやすい質感”なので、トラック全体との親和性も高いです。
■はじめに(レビュー動機)
今回レビューする「VOID」は、UJAMのBeatmakerシリーズのひとつで、特にドラムンベース(DnB)やブレイクビーツに適したリズム音源です。
私がこのプラグインを手に取った理由は大きく2つ。ひとつは、最近DnBのビートを取り入れた楽曲を作りたくなったこと。もうひとつは、Beatmakerシリーズの中でVOIDだけをまだ持っておらず、“コンプリート欲”が背中を押したという理由も少し……。
今回はその導入体験をふまえ、VOIDの魅力や使い勝手について、実際に触ってみた感触を中心にお伝えしていきます。
■サウンドとキャラクター
VOIDは、ドラムンベース向けをうたっているものの、サウンド傾向としてはやや“生ドラム寄り”の質感。ハードなエレクトロサウンドを期待すると少し柔らかめに感じられる場面もあり、初期DnBのブレイクビーツ的なアプローチに近い印象があります。
一方で、リズムパターンはユニークなものが多く、単純なループ素材にとどまらない展開が可能です。キットにはドラムに加えてパーカッション系の楽器も含まれており、プリセットの段階で既に曲の表情をつけやすい構成になっています。
DnBの枠を超えて、MIDIパターンの“プール”としても優秀で、アイディア出しの起点として活用する価値は高いです。Beatmakerシリーズ全体がVer.3にアップデートされており、他機種との切り替えも簡単になったため、MIDIをトラックに貼りつける手間はありますが、VOIDのパターンを他ジャンル向けキットと組み合わせるといった応用もしやすくなっています。

■操作感・機能
VOIDを含むUJAM Beatmakerシリーズは、Ver.3へのアップデートにより操作性が大きく改善されました。
- 視認性の高いリストビュー
キットやリズム、プリセットの切り替えは従来のドロップダウン形式からリストビュー形式に刷新され、視認性と選択のしやすさが大幅に向上しました。 - リズムパターンの視覚化
リズムパターンにドット表示が加わり、プリセット選択時にも“ノリ”の違いが見た目でわかるようになっています。

- スロット数の減少
鍵盤に割り当てられるStyleスロットは24→10に減少。リアルタイム演奏時のバリエーション操作は制限されるため、“打ち込み派”には便利ですが、“パフォーマンス派”にはやや不向きかもしれません。



- MIDIドラッグや出力分離の操作性は良好
必要なリズムをDAWにドラッグ&ドロップするワークフローは従来通りスムーズで、エクスポート素材としての汎用性も高いままです。
Ver.3全体の思想として、“複数のBeatmakerタイトルを一つのプラグインで扱える”統合環境が提供されたこともあり、VOID単体でも“アイディアスケッチ→パターン切り替え→素材化”までの流れが非常に効率的です。
■まとめ
VOIDは、「ドラムンベースに特化」と銘打たれた製品ではあるものの、実際のサウンドはやや生ドラム寄りで、初期ブレイクビーツ的な柔らかさを持っています。ハードエッジなエレクトロ系のDNBとは少し方向性が異なりますが、その分、既存のトラックにも自然に溶け込みやすく、使い勝手の良い印象です。
リズムパターンのバリエーションは豊富で、単体音源というより“MIDIプール”としての価値が高く、仮トラック制作やアイディア出しにも役立ちます。Ver.3への進化により、UIの視認性やパターン選択のしやすさが大きく向上し、制作フローがよりスムーズになった点も好印象です。
ただし、リアルタイム演奏用のスロット数が削減されたことで、“鍵盤での表現力”を求めるスタイルにはやや物足りなさを感じる場面もあるかもしれません。
DnBの雰囲気を手軽に取り入れたいボカロPや、打ち込みに時間をかけたくない制作者にとって、VOIDは“即戦力”かつ“良質な素材提供源”として非常に有効な選択肢となるでしょう。
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